TRT(耳鳴り再訓練療法)について

TRT は、ダイレクティブカウンセリング と 音響療法 の 2 つで基本的に構成されています。


1. ダイレクティブカウンセリング (Directive Counseling)

医師によるカウンセリングと言われるものです。一般的に、


 ● なぜ耳鳴りが聞こえるのか (実は、多くの人が耳鳴りを経験している)
 ● 患者さんの耳鳴りはどういうものなのか
 ● どうして耳鳴りがひどくなるのか (なったのか)
 ● これからの治療ではどのようなことをするのか

などを、医師が患者さんの主訴を聞き、随時、治療上必要となる説明や知識・情報を提供します。

患者さんは、耳鳴りに悩むあまり、耳鳴りに対する誤った理解や認識をされている事があります。また、耳鳴りは不快感を刺激するため、気づかないうちに患者さんが自分で他の健康不安などと結びつけて自己判断や間違った思い込みをしがちです。実は、これらが悪循環の形成に大いに関係しています。

従って、ダイレクティブカウンセリングは、悪循環を断ち切るための重要な医師による手技となります。TRT では後述の音響療法よりも重要視されています。その意味では、医師とのコミュニケーションをよく取るという姿勢は患者さんにとって大事なことです。


2. 音響療法 (Sound Therapy)

TRT の音響療法では、耳鳴りと耳鳴り以外の音 (一般的には音響的ノイズ) を一緒に聞くことで次の 2 つを目指しています。


 ● 相対的に耳鳴りの音を下げる
 ● 耳鳴りの音から意識をそらす


音響療法に用いる医療機器について
TCI に代表されるサウンドジェネレーター、補聴器、そして最近では、サウンドジェネレーターと補聴器の機能を併せ持つコンビネーションタイプ の (※3) Life Combi があります。

(※3): Life Combi とは
まずはじめに、耳鳴りと内耳神経性難聴について触れます。

耳鳴りの原因が内耳の問題だけではなく中枢側に起こる悪循環にあるという点に注目したのが TRT の考え方の基礎となる部分ですが、内耳の外有毛細胞の障害が耳鳴りと関係するという点は、誰もが認めています。この細胞が害されると、内耳神経性難聴となります。よく知られている加齢による 難聴も実は、この外有毛細胞が年齢を重ねるにつれ、傷んだり劣化して起きます。

加齢性の難聴以外でもさまざまな内耳神経性難聴があります。
近年、このような内耳性難聴を補聴器などでケア (リハビリテーション) することで、重症な耳鳴りも改善できることが分かってきました。そのための医療機器として Life Combi (補聴器とサウンドジェネレーターがひとつになった耳鳴り治療器) が登場しました。

特に、Life Conbi にはミックス機能という設定があり、補聴器として難聴の問題をカバーしながら背景に治療音が流れるという利点があります。補聴器として使用、サウンドジェネレーターだけで使用、そして両機能を使用するミックス機能、という 3 つの設定を小さなリモコンで操作できます。

音響療法の要点について
サウンドジェネレーターなどから発する治療音 (音響的ノイズ) は、耳鳴りを完全に遮蔽してしまうほど音量を上げてはいけません。耳鳴りが僅かに感じられるレベルに音量をコントロールするのが理想です。この状態を続けることで、耳鳴りの音に慣れ、耳鳴りが気にならなくなるための、「治療音による訓練」 をします。

また、治療音は一生懸命集中して聴こうとするのはよくありません。「聞き流す」 あるいは BGM を聴くようになんとなく聴いていれば良いのです。

治療音は選択できますが、患者さんが心地よく感じるものが最適です。どれを選択したら良いか分からない場合は、聞いていて楽な音、嫌でない音、長時間聞いていられそうな音を選べば良く、選んだ音によって治療が早く進んだり、早く良い結果になるということはありません。ご自身の耳鳴りの音とよく似た音を選ぶものだと勘違いしている方もいらっしゃいますが、それは避けなければいけません。

音響療法に用いる各医療機器のフィッティングについて
フィッティングは、TRT を実施している医療機関でして下さい。治療法については、医師が検査結果や診断結果に基づいて適応を判断します。もちろん、患者さんが TRT を希望することはできますが、必ずしもすべての耳鳴り患者さんに TRT が適応するわけではありません。

また、各機器の患者さんへのフィッティングは、医療機関内での担当者が行います。患者さんそれぞれに異なる調整となりますが、原理原則は前述の音響療法の要点にある通りです。

耳鳴りの信号自体は、それほど強いものではないことが医学的には分かっています。しかし音を感じるのは最終的に脳であるため、脳が 「とても大きく辛い」 と感じている以上、耳鳴りは大した音ではないと言っても解決になりません。音響療法とは、別の音の力を用いて耳鳴りがそれほど大きいもの(音覚)ではない、という学習 (訓練) をしていくものです。決して難しいものではありませんが、医師とのカウンセリングとあわせて、TRT 全体および音響療法について正しく理解をされた上で機器を使用し、治療が軌道に乗ることで良い結果に結びつくものと考えます。


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